こんにちは!LayerX AI・LLM事業部でマネージャーを務めていますエンジニアの恩田(さいぺ)です。
AI・LLM事業部では今回、新たにForward Deployed Engineerというポジションの募集を開始しました。 今回はこのFDEというポジションの紹介や募集の背景を書かせていただきます。
Forward Deployed Engineer(FDE)とは
日本ではあまり馴染みがない職種かもしれませんが、前線(Forward)に配置された(Deployed)ということで、お客さまとの最前線に立ち、顧客課題を真に理解し、プロダクトの実装・導入を推進するエンジニアを指します。LayerXでも行動指針を「Bet AI」にアップデートし、来る8月1日AIカンファレンス「Bet AI Day」を開催するなど、AIにフルベットしていますが、世界もAIの熱狂の渦に包まれています。しかし、AIをオンボーディングし、実際の業務に溶け込ませることは、簡単な道のりではありません。
まず、AIを業務利用する前に、業務ドメインを深く理解する必要性があります。業務フローを表面的にトレースするのではなく、前後の業務プロセス・業界特有の規制・慣習、その他業務の力学を理解した上で「本当に解くべき課題は何か」「何がお客さまの価値向上に繋がるのか」を見極める必要があります。また、多くの現場では業務マニュアルやノウハウが口伝であったり、散在するドキュメントに埋もれていたり、古くなっていたり、構造化されていなかったりします。生成AIを使った業務効率化やナレッジ検索では、そういった非構造化情報を解きほぐし、業務ロジックに組み込む実装力が必要不可欠です。FDEは、常駐やユーザーインタビュー、ログ解析を通じて、暗黙知を形式知に変え、AIワークフローやAIエージェントの実装に落とし込みます。
さらに、LLMの進化の速度は、従来のソフトウェアライフサイクルと桁違いです。FDEはその最新動向を継続的にキャッチアップし、お客さまの課題を解決するために最適な技術選択とアーキテクチャ刷新を主導します。
そして、AIオンボーディングは、導入で終わりません。むしろ導入後こそが本番です。利用率の伸び悩み、データドリフト、要件の追加など、運用フェーズでしか顕在化しない課題も山積みです。FDEはこの継続改善にコミットし、お客さまの価値向上に責任を持ち続けます。
このようにFDEに求められる職責は幅広く、そして深さも要求されます。これはFDEが大きな価値を生み出していることの裏返しでもあると思います。だからこそ、米国の著名なベンチャーキャピタルであるAndreessen Horowitz(a16z)もFDEをスタートアップ分野で「Hottest」な職業として紹介しているのでしょう。
AI・LLM事業部におけるFDE
AI・LLM事業部では生成AIプラットフォーム「Ai Workforce」を開発・提供しています。製品ページでも紹介していますが、金融、商社を中心としたエンタープライズ企業のお客さまにご導入頂いています。Ai Workforceは主にドキュメントワークをターゲットとしているのですが、お客さまが長年の事業によって培われたナレッジは、PDFやWord/Excel/PowerPointといったMicrosoft Officeドキュメントといった形で蓄積されています。また、業務の処理対象となる資料もこういったドキュメントや画像などを複数組み合わせて認知する必要があり、簡単にはAIを業務にオンボーディングさせられません。
FDEはまず、お客さまから業務で実際に処理している資料をお預かりし、読み解き、お客さまへのヒアリングを重ねながら、Ai Workforce上にAIワークフローやAIエージェントといった形で業務を落とし込んでいきます。エンタープライズ企業特有のセキュリティ要件などはAi Workforceがプロダクトとしてカバーしており、お客さまの業務や、Ai Workforceで業務を行う体験にフォーカスして、実装を進めていきます。
AI・LLM事業部におけるFDEの実務としては、このお客さま資料の読み解きが大変です。なので、資料の読み解きを効率化する内製ツール自体の開発も行っています。また、AIワークフローの構築にも工数が大きく掛かるため、業務ワークフローの自動生成といったR&Dも進めており、直近では高品質なプロンプト自動生成でも成果が見えてきました。
冒頭のFDEについての説明を読むと、スーパーマンのような人物を求めていると感じられます。しかし、自分たち自身がAIの力を借りることで、そこへ到達しやすくすることはできます。そして、生成AIを活用し、本質的なビジネス価値を生み出すことについて徹底的に考え抜くことで大きな価値を生み出す職種こそがFDEなのだと思います。
まとめ
- Forward Deployed Engineer(FDE)は、お客さまとの最前線に立ち、業務を深く理解し、AIオンボーディングを実現する
- 「Ai Workforce」をエンタープライズ企業に導入する際にも、FDEの活躍は必要不可欠
- AI・LLM事業部では、資料の読み解きやAIワークフロー構築を効率化する内製ツールやR&Dを通じて、AIの力を最大限に活用し、FDEが活躍できる基盤も整えている
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