LayerX エンジニアブログ

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1on1 で「センスが無い」を言語化した話

LayerX Fintech事業部 (※) の piroshi です。
※ 三井物産デジタル・アセットマネジメント (MDM) に出向しています。

今回は、上長の ken5 さんとの 1on1 の中で「センス」について言語化した話を紹介させていただこうと思います。

現職で実装する機会が増え、力不足から「自分にセンスが無い」と感じた時、それを曖昧な状態にせず、要素に分解して改善に繋げようとしているお話の共有です。

問題の具体例

Fintech という領域ではセキュアな業務環境が求められます。その一環として、ECS を使ったセキュリティ施策の検証を進めています。 しかし私がこれまで Docker や ECS を扱った開発経験がほとんどないため、検証を進めるスピードは遅く、手探りの状態が続いていました。

1on1 での気づきと学び

長らく詰まっていた問題を ken5 さんに相談したところ、彼は 30 分でシュッと問題を解決しました。

自分はなぜ時間をかけてしまっているのか ?
原因の仮説を立てる -> 優先順位をつけて検証、というプロセスのセンスが無いのか ?? (センスが無い = 最速とは言えない、大量の時間を投入して結果を出す様)

この状態を解決するため、1on1 で相談しました。

「学習経験値の不足」と「メタ認知」

「『センスが無い』を曖昧なままにせず、言語化しましょう」と促され、壁打ちをしてもらいながら問題に詰まっていた時の行動や思考を振り返り、以下の要素に分解しました。

  • 学習経験値の不足: 対象技術に対する経験が浅いため、時間がかかるのはある程度当然のこと
  • メタ認知の活用: 自分の認識や行動に自覚的になる (バイアスに気づく)
    • 視座を変える: 問題を俯瞰する、抽象度を調整する
    • 視野を変える: 見ている範囲を広げる
    • 視点を決める: 状況をフラットに評価したうえで、仮説立ての指向性を決める

このときは後者の「メタ認知」について深掘りをしました。

例えば、コンテナのデプロイに失敗する問題では、コンテナが正常終了しているログ(Exit 0)は目に入っていましたが、他の情報に気を取られてしまい、解決の手がかりとして活用できませんでした。また、問題によって ECS のタスクのログは参照していたがサービス側のログの確認を漏らすなど、見る対象に偏りがありました (両方見ていたら解決に繋がった…)。

一方の ken5 さんは、ECS, コンテナ、アプリケーションとどこに目をつけるか考えながら (視座の調整)、ファクトとなるログを広く収集し (視野を広げる)、得られた情報から状況を評価して原因解決の道筋を定めていました (視点)。

確定した原因や思考の道筋を聞くと「なるほどな」というもので、「何で気づけなかったんだろう」と恥じてしまうものもあります。問題をなかなか解消できないと視野・視座が硬直的になり、これまでの文脈が思い込みとなってバイアスをかけ、現状をフラットに評価できなくなる、私の悪いクセが原因です。自分の認識・行動を自覚し、見るべきスコープが今のままでよいのか自問すべきでした。

終わりに

この教訓をデスクトップの付箋に貼り、問題解決に詰まったときに目に入るようにしています。習慣化できる、その日まで。


私たちのチームでは一緒に働く仲間を募集しています。ken5 さんの OpenDoor (カジュアル面談) もオープンしています。ご興味のある方はぜひ、以下のリンクから求人ページを覗いていただけると嬉しいです。

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