LayerX エンジニアブログ

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入社してから事業部執行役員(VPoE)になるまでの3ヶ月間に考え、実施したこと

バクラク事業部 執行役員VPoEの @makoga (小賀昌法)です。 7月はLayerX エンジニアブログを活発にする期間で、昨日は多田さんの『バクラク事業部による AWS コスト管理の課題に対して行った3つの取り組み』でした。コスト管理に課題を感じている人はぜひ読んでみてください。

私は4/1に入社し、6/28に実施した株主総会でバクラク事業部執行役員VPoEに選任されました。入社の動機やこれまでの経験にご興味がある方は入社エントリを読んでいただけると嬉しいです。

このエントリでは入社してからの3ヶ月間で考え、実施したことを紹介したいと思います。

入社当時の考えとフォーカスポイントの見極め

入社時に私が最も重視したのは、LayerXに今ある文化と環境を尊重し、その良さを最大限に活かすことでした。なぜなら、私が以前の職場で得た知識や経験は確かに価値があるものでしたが、それが全てを解決するとは限らないからです。例えば、以前の職場ではちょっと変わった評価制度を運用していたこともあり、「LayerXでもあの評価制度を構築するんですか?」と聞かれたことがありましたが、そのまま持ってくることは絶対にしません。たとえ同様の課題があったとしても今ある文化から生み出すことを優先して考えます。これは当たり前の考え方かもしれませんが、私はこれを絶えず意識していました。

最初の1,2週間で気づいたことは、LayerXの文化と働き方の素晴らしさでした。お互いに尊重し合い、各々のアイデアや視点を大切にしていました。LayerX羅針盤にもある、オープンなコミュニケーションや高いレベルの凡事徹底がこの会社が目覚ましい成果を出し続ける秘訣だと感じました。

特に、プロダクト開発においては事業部CTO/CPOのmosaさんが公開している『開発速度が速い #とは』で語られていることが文化としてしっかり根付いていました。

そこで、私は自分の役割を「改善サイクルの推進」「プラクティスの発見と共有」と位置付けました。この視点から、既存の素晴らしい文化や働き方をさらに強化するために、私のエンジニアリング組織マネジメントの経験を役立てていきたいと考えています。

実施したこと

3ヶ月間に実施したことを簡単に紹介します。今後もVPoEやエンジニアリング組織責任者、もしくは候補者を迎え入れる組織が増えると思いますので、ここで紹介する内容が誰かの参考になれば嬉しいですね。

現状の理解を深める

効果的な組織改善や施策立案のためには、まず現状の深い理解が必要です。

LayerX全体の理解を深めるために以下のようなことを実施しました。

  • 代表取締役CTOとの定期的な1on1
  • 執行役員CHROとの定期的な1on1
  • 初対面の人との1on1(29人、複数部署・複数職種)
  • 全社横断プロジェクトに参加
  • 経営オフサイトミーティングに参加(6月)

これらの活動を通じて、LayerX全体の運営や組織文化、チーム間の協力体制や働き方、各種プロダクトの状況などについて理解を深めました。その一例として、プロダクトごとのチームとプロダクト横断チームの構成があります。組織図をもとに部門・チームごとの役割を聞き、その背後にある理由や目的を深掘りすることで、コンパウンドスタートアップに必要な要素が見えてきました。

また、1on1では、個々のメンバーの思考や視点、目標や課題について直接聞くことができ、大変有意義でした。例えば、メンバーからみた代表取締役CTO 松本さん、事業部CTO/CPO mosaさん、Enabling担当 名村さんのそれぞれの強みを聞くことで、組織としてどのようなフォーメーションを組めるかの視点が広がり、意思決定に役立っています。

バクラク事業部の理解を深めるためには以下のようなことを実施しました。

  • 事業
    • 各プロダクトのドキュメントを読む、動画を見る
      • プロダクトごとに社内ポータルページがあり、そこから情報をたどれる
      • 過去のOKRや4半期ふりかえり、週報・月報などで方向性を確認する
      • 商談動画を見ることで顧客理解・プロダクト理解を深める
    • レビュー会に参加
      • 毎週各プロダクトから新規機能をデモする会があり、そこで顧客課題や解決策について学ぶ
    • 事業部の経営会議に参加(6月から)
  • プロダクト開発
    • 各チームのスプリントに顔出し
    • 特定のチームにマネージャのサポート役としてDeepDive
      • 朝会、スプリント計画、スプリントふりかえり、ビジネス&プロダクト定例、要望棚卸し会などに参加
    • エンジニア共有会に参加
      • ※エンジニア共有会とは、毎週事業部の全てのエンジニアが集まり、よかったカイゼンや技術的取り組みなどのナレッジを共有したり、技術/プロセス/障害などの課題を共有している会です。
  • 組織
    • プロダクト系採用定例に参加
    • プロダクト系マネージャ定例に参加
    • 事業部CTO/CPOとの定期的な1on1
    • 事業部執行役員(Enabling)との定期的な1on1
  • その他
    • 私のオンボーディング担当との定期的な1on1
    • 各チームの歓迎会や打ち上げに参加

これらの活動を通じて、事業部全体の動向、各プロダクトの開発状況、組織の運営方法など、多角的な視点から現状を理解することができました。これらは全てより良いエンジニアリング組織マネジメントにつながる重要な要素だと思います。特に、特定のチームにDeepDiveしたのは良い経験でした。

改善サイクルの推進、プラクティスの発見と共有

現状の理解を深めていくなかで、プロダクト開発におけるサイクルは良い状態であると判断しました。そこで、まだ経験が浅い人がいるミドルマネージャ強化にフォーカスすることにしました。まずは、改善サイクルの推進と、有効なプラクティスの発見および共有を進めていきました。

  • エンジニアリングマネージャ(EM)に役立つ情報がまとまっているポータルページの作成とメンテナンス
  • EMが月次で同期をとるEM Sync Monthlyの運営
  • マネージャとメンバーのコミュニケーションサイクルの構築と推進
  • 各チームの取り組みに参加し差分を見える化、テンプレート作成
    • 1on1
    • 評価系面談同席
    • キャリア面談

これらの取り組みについては、今後ブログやイベントなどで詳細を公開していきたいと考えています。今回はEM向けポータルページの一部のスクショを共有することで、実際の取り組みの一端を垣間見ていただきたいと思います。今すぐ聞いてみたい、ディスカッションしたいということがありましたら、このページの最後にあるカジュアル面談からお気軽にご連絡ください。

EM向け社内ポータルページから抜粋
EM向け社内ポータルページから抜粋

現在の考えと今後の展望

これから先、私の役割として最も重要なことは、この成長の流れを維持し、かつ進化させ続けることです。VPoEという肩書きがつきましたが、私が目指すものは変わりません。エンジニアリング組織マネジメント領域において、よりよい結果を生むための最善の方法を見つけ出し、それを共有し続けることに全力を注いでいきたいと思います。

CHRO石黒さんが書いたエントリに次の一節があります。

「2025年度に500名体制」。今回のシリーズA 調達時、各メディアからの取材に対しお答えしている数字です。まずはここがターゲットですが、LayerXの挑戦は1000名体制、2000名体制・・・その先も見据えた大きな挑戦になると確信しています

組織が拡大するにつれ、新たな課題や機会が生まれます。それぞれの状況で最適な解決策を見つけることが求められます。これには、新たな技術の適用、効果的なプロセスの導入、そして何よりも人々の能力を最大限に引き出すための新たなアプローチを模索することが含まれます。

そして、その全てを通して、私が最も大切にしているのは「人とチーム」です。個々のメンバーが業務を通じて成長し、最高のパフォーマンスを発揮し、チームとして機能している環境を作ること。それが私の最大の目標です。新たな挑戦を乗り越え、未知の可能性を開拓するために、一丸となって凡事徹底し、ともに学び、ともに成長し、価値を創造し続けるのです。

新たな型を導入したり、既存のプロセスを改良したりすることは重要ですが、それらすべての根底には人とチームがあります。LayerXが大きな成功を収めるためには、それぞれの個性を尊重し、全体としての成果と成長を促進することが不可欠です。

そういった観点から、新たな高みに達するための成長の道筋を作り出していきたいと思います。これからも引き続き全力を尽くします。

カジュアル面談をオープンしてます。お気軽にどうぞ!

jobs.layerx.co.jp