こんにちは。LayerX バクラク事業部 申請・経費精算チーム エンジニアの @minako-ph です。ニホンザルYouTuberにハマって3年が経とうとしています。
この記事はLayerXテックアドカレ2023の17日目の記事です。 前回は @yu-ya4 さんが書いてくれてます(本日公開予定!)。 次回は @shota_tech さんが担当します。
今回は、Notionでスプリントのあれこれをダッシュボードで可視化する過程を紹介します。
背景
弊社では全社的に Notion というサービスを利用しています。 私が所属する申請・経費精算チームでは、スクラムを利用した開発スタイルを採用しており、スプリント管理におけるNotionの運用に以下のような課題が発生していました。
状態
- スプリントタスクDBの各タスクにマルチセレクトでスプリントを選択している
- スプリントタスクDBの各タスクに見積もりSP(*ストーリーポイント)と実績SPをプロパティに数値で入力している
- スプリントゴールDBにスプリント毎にプロパティを生やして各メンバーは自身のレコードにゴールをテキストで入力している
課題
- スプリントゴールDBのプロパティがスプリントを重ねる毎に増えていってしんどみがあった
- 見積もりSPと実績SPを元にベロシティの計測を スプレッドシートに転記して行っている為、メンバー別 or スプリント別でのベロシティの推移がサクッと確認出来ない
- スプリントに紐づく情報を集約出来ていない
上記の課題を解決すべく、ダッシュボードとデータベースの構成を一新することにしました。 その結果 あらゆる情報の可視化に成功したので、その過程を紹介しようと思います。
集計したい情報を基にデータベースを構築する
Notion でデータベースを作成する際は、まず どのような情報を集計したいか に注目します。 例えば申請・経費精算チームだと以下のような情報になります。
- スプリント毎のタスク
- スプリント毎の目標
- メンバー毎の目標
- スプリント毎の各メンバーのSPとそのベロシティ
- メンバー毎の各スプリントのSPとそのベロシティ
Notionでは Relation という機能を利用して、異なるデータベース間のレコード同士を紐づけることが出来ます。 Relationにより特定の情報に紐づく複数のレコードをグループ化し、さらに Rollup という機能を使い 特定プロパティの集計を行うことが可能になります。
集計したい情報を元に既存のスプリントタスクに追加で以下のデータベースを作成しました。
- スプリントマスタ
- メンバーマスタ
- スプリントSP管理
- スプリントゴール
各データベースの紐付け(Relation)を作成しデータの集約を可能にする
次に、集計したい情報を基に各データベースの紐付けを行います。
- スプリント毎のタスク
- スプリントタスクとスプリントマスタの紐付け
- スプリント毎の目標
- スプリントゴールとスプリントマスタの紐付け
- メンバー毎の目標
- スプリントゴールとメンバーマスタの紐付け
- スプリント毎の各メンバーのSPとそのベロシティ
- スプリントSP管理とスプリントマスタの紐付け
- メンバー毎の各スプリントのSPとそのベロシティ
- スプリントSP管理とメンバーマスタの紐付け
これにより各マスタDBのレコード毎に紐づいた別DBのレコード群を情報として出せるようになりました。 どのように表示するかは次の項で紹介します。
集約されたデータ及び集計された情報を表示する
それでは作成した各ダッシュボード(一部)と今回のアップデートによりできるようになった嬉しい点を紹介します。
まずは各メンバーが普段見るダッシュボードを作成しました。
- 嬉しい点
- スプリントをマスタ化してステータスを持たせたことによって、スプリントマスタに紐づくスプリントゴールからRollupでスプリントのステータスを参照することができるようになり、進行中のスプリントの自身のゴールが常に自動で表示されるようになった
- スプリントをマスタ化したことにより、スプリントマスタに紐づくスプリントSP管理の情報をRollupで集計できるようになり、チームの合計想定消化SP, 合計見積SP, 合計消化SP が表示できるようになった
次に、各スプリント内のコンテンツを作成しました。
- 嬉しい点
- スプリントをマスタ化した為 そのスプリントに紐づくゴールや各メンバーのSPを、スプリントが生成されるタイミングで自動でフィルタして表示できるようになった。
最後に、スプリントSPの振り返りダッシュボードを作成しました。
- 嬉しい点
- スプリントをマスタ化した為 スプリント毎の各メンバーのSPの推移が可視化できるようになった
- メンバーをマスタ化した為 メンバー毎のSPの推移が可視化できるようになった
その他、メンバーをマスタ化したことにより各メンバーに紐づく情報が集約できて 各自の振り返りにも活用できそうです。
終わりに
今回はNotionでスプリントのあれこれをダッシュボードで可視化する過程を紹介しました。 普段目にする部分へ改善を加えることで、各メンバーのパフォーマンス向上やチームの継続的な改善に繋げられたらなという想いでリニューアルをしてみました。
まだまだ改善の余地と可能性はありそうなので、今後も改善していければなと思っています。
LayerXでは一緒に働く仲間を大大大募集しています!興味を持ってくださった方は、ぜひ一度カジュアルにお話ししましょう!