LayerX Fintech事業部 (※) の piroshi です。※ 三井物産デジタル・アセットマネジメント (MDM) に出向しています。
入社から 9ヶ月が経ちました。現職では業務領域がだいぶ広がったな〜と感じたので、その点についてササッと振り返ってみたいと思います。
業務領域の広がり
私が所属するMDM のコーポレートシステム部は、社内の従業員が利用するクラウドサービス(情シス) および、自社開発サービス・プロダクトのインフラの統制・セキュリティ周りを担当しています。
前職までは情シスの領域が主担当でしたが、プロダクトを動かしている AWS や GCP といったプラットフォームまで幅が広がりました。
また、インハウスなエンジニアリング (内製) で対応する領域が増えたなと感じています。ここが一番の変化したところです。
スキルセットの変化と学び
例えばセキュリティの高度化を目指すための施策において。当初は SaaS の導入による解決を検討しましたが、既存システムに起因する制約やコスト感がクリアできず、結果的に OSS を用いた内製化を選択しました。AWS の ECS上でコンテナを動かし、VPC内のリソースからのアクセスを整備するなど、多岐にわたるAWSリソースを構築・管理しています。これらをTerraformで管理しています。
私のこれまでのキャリアでは、SIer でのベンダーコントロールやステークホルダーの調整、スタートアップ系の企業では SaaS を活用した社内システムの整備が主な仕事でした。業務と深く関わるシステムを、アプリケーションから基盤のレイヤまで一通り整備する経験は初めてで、日々多くの学びがあります。プライベートな時間・環境での検証とは異なり、求められる品質や考慮事項の幅が広がることで、学びの量が格段に増えました。私にとって未知の領域なので想定通りにいかないことも多々ありますが、手を動かして一つずつ検証して進めています。また一度経験したからといってすぐに習得できるものでもないので、量をこなして質に転換されるその転換期を目指し中です。
インハウスって嬉しいの?
社内向けシステムにおいてインハウスな対応ができると何が嬉しいのか。
それは「組織にとって、広く『選択肢』を用意できること」かなと思っています。
上記の例でいえば、採用できるクラウドサービスがなくとも、自分たちでソリューションを用意することができます。おそらくこれまでの私なら対応を見送る判断をしていたはずですが、現職ではチーム内で内製対応の提案があり、施策の継続ができています。
組織の打ち手の選択肢を広げることは、事業環境の変化や制約に対して柔軟に対応できるだけでなく、競争力を高めるための重要なケイパビリティです。組織は迅速かつ効率的に対応できる力を持ち、外部依存という不確実性を減らせることで意思決定の迅速化にもつながります。
特にコーポレートシステム部の特徴を考えると、その重要性は一層明確です。私たちのチームは、保守的な立場で第三者のお金を預かる責任を持ちながら、新しい金融サービスの提供という攻めの立場を両立することを目指しています。こうしたバランスを保つためには、インハウス対応の柔軟性と迅速さが不可欠です。
ちなみに「選択肢を用意する」という表現は、先日の全社ミーティングで取締役の横田さんがおっしゃっていた「経営に資するコーポレート部門 -> 経営に選択肢を用意する」という説明から引用しました。腹落ちです。
おわりに
自身のスキルアップを通じて組織の強みを生み出せるよう、これからも取り組んでいきます。振り返って整理したいことや施策の紹介等、書きたいことはまだまだあるので、また別の機会に。
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