LayerX エンジニアブログ

LayerX の エンジニアブログです。

LayerX(バクラク事業)におけるSaaS導入コンサルタントの仕事

この記事はLayerXアドベントカレンダーの5日目の記事です。

バクラク事業部のプロダクトマネージャーの花村です。本日、事業所が200を超えるエンタープライズのお客様へのバクラク請求書・バクラク申請の導入を発表させていただきました。

bakuraku.jp

バクラク自体はまだ2年目のSaaSではあるものの、直近エンタープライズのお客様向けに導入を支援させていただいておりました。

エンタープライズのお客様では業務フローが複雑になるため、通常のセールスに加えて、コンサルタントがついて業務フロー整理や導入サポートが不可欠です。私はプロダクトマネージャーが主務ではありますが、導入コンサルタントを兼務してお客様のサポートにあたっています。(私自身がフューチャーやデロイトといったコンサルティング企業での経験があったことも兼務の要因です)

今回の記事ではLayerXにおけるSaaS導入コンサルタントの仕事について紹介します。

導入コンサルタントのミッション

バクラクの導入コンサルタントのミッションは「お客様の業務フローを整理・運用提案し、導入後に業務が円滑に回るようにサポートすること」です。

バクラクでは経理部門の方向けの「バクラク請求書」、全ての従業員がご利用される「バクラク申請」があります。さらに、導入時設定には情報システム部門の方も関わるため、関連部署が多岐に渡ります。

また、事業所が数十を超えたり、社員数が1000名を超えるようなエンタープライズのお客様は業務フローが複雑になるため、コンサルタントが導入サポートさせていただくプランをご用意しています。これは経理の方、現場事業所の方、情報システム部門の方などと連携して最適解を探る、難易度が高いですがやりがいのある仕事です。

導入コンサルタントの3つの仕事

通常のエンタープライズ向けの商談はアカウントマネージャー(セールス)が行いますが、導入コンサルタントは、お客様から前向きな導入ご意向を伺ってから参加します。

安定稼働に向けて、導入コンサルタントの仕事は

  1. 業務フロー整理・ヒアリング
  2. 一部事業所での検証
  3. 本番導入支援

の3つになります。これらについてそれぞれ期間を定めて安定稼働まで導いていきます。

1. 業務フロー整理・ヒアリング

業務フロー整理・ヒアリングフェーズでは、AsIs(現状)とToBe(理想)を伺い、バクラク導入後の業務フローを定義することがゴールです。

まずバクラク導入によって解決したいことを伺い、ゴールを定義します。「紙の請求書をなくしたい」であったり「現場事業所担当者が入力しやすいワークフローを整備したい」であったり、課題感を伺います。

解決したい課題感などを参考にしつつ、現状の業務フローとペインを伺い、図に落としていきます。業務フローを図示していくことで、お客様と認識の相違を埋め、またお客様自身も認識していなかった業務を洗い出すサポートをします。業務とシステムは表裏一体なので、現行システムの設定や承認フローなども伺うことでヒアリングだけでは気づけない現行業務について洗い出すこともできます。

作成する業務フロー概念図のイメージです

現行業務フローを伺う中で理想の業務フローを整理し、バクラクプロダクトのFit & Gapを整理します。

2.一部事業所での検証

バクラク申請は経理担当のみならず、全ての従業員が利用されるワークフローシステムのため、導入後に各事業所で使いこなしていただく必要があります。大規模なお客様で本導入してから業務フローに合わなかった、となるとご迷惑をかけてしまいます。

そのため事業所数が数十を超えるようなお客様では、本導入前に一部の事業所で業務フロー検証を提案させていただきます。実際に回してみて構築した承認フローが業務上合うか、操作方法の習得に時間がかからないか、使い心地は悪くないかなど、事業所での申請〜経理業務まで実施していただき、きちんと業務上Fitするかを確認します。

検証ゴールは主に以下2点です。

  1. システム機能・設定が業務上、問題がないこと
  2. 利用開始時に滞りなく作業ができること

この検証の結果、Gapがある部分は運用方法のご提案をすることもありますが、なるべく運用によるカバーは減らす方向性は考えています。エンタープライズのお客様の場合、関係者や作業者が多いので運用でカバーを提案する時の不確実性が増してしまうため、プロダクトの設定でカバーできないか、業務フロー自体を変えられないかなどを検討します。

また重要な点としてこのフェーズまでに現場事業所の方、経理の方、承認者の方のヒアリングをさせていただきます。関係者ごとに視点が異なるため、それぞれの方から話を伺うことで視点の抜け漏れをなくす効果があります。

検証が問題なく進めば本導入に進みます。

3.本導入サポート

いよいよ本導入が始まると、数十〜数百の事業所でご利用されます。「バクラク申請」での現場での申請・承認、経理の仕訳処理・承認・会計ソフトへの取込・支払処理などが円滑に回るのか、適宜確認が必要です。

効率的に確認するため、利用状況のダッシュボードを構築し、全体の数字ベースで申請や承認、仕訳の処理が行われているかを確認します。進みが遅ければ業務上ネックになっているポイントがないかなどを関係者に伺います。

このフェーズになると徐々にCS主導にはなりますが、支払業務は遅れてはいけない業務なので、特に導入初月はセールスもCSもコンサルもチームとしてお客様のサポートをします。導入後に出てくる課題も管理して、プロダクトにフィードバックさせながら安定運用に向けてサポートを行います。

SaaS導入コンサルタントという新しい職業

業務・IT領域のコンサルタントを振り返ってみると、①業務・ITコンサルタント、②ERP導入コンサルタントという流れがあり、次に③SaaS導入コンサルタントという流れがきているのではないかと思います。

①業務・ITコンサルタントはコンサルティング企業に属することが多く、特定のソリューションに縛られません。ただし、スクラッチも含めて個々のソリューションを提案するため高価になりがちです。

②ERP企業に属するERP導入コンサルタントは自社ソリューションにはなりますが、汎用化したソリューションを提供するため比較的安価に提供することができます。しかし、一括販売型のため導入後に業務Fitしなかった場合のリスクは導入企業が負うことになります。

③SaaS企業に属するSaaS導入コンサルタントは、ERP企業同様に自社ソリューションではありますが販売形式はサブスクリプションモデルです。万一業務Fitしなかった場合でも、お客様にとっては解約すれば一括販売型と比べてリスクを減らすことができます。また、クラウド形式での提供で随時アップデートができるのであれば、プロダクト自体を更新することで業務Fitの可能性を上げることができます。また、こちらも汎用化したサービスを提供するため比較的安価に提供することができます。

サブスクリプション形式であればSaaS提供者も逐次業務Fitをするインセンティブになります。すなわち、導入がゴールではなくお客様の業務Fitすることをゴールとして提案を強制的に考えなければいけないため、フェアネス性がより高い職業になると感じます。

フェアネス性の高さについては、先日公開された当社の「LayerX羅針盤」でも『提供価値にこだわる』というスライドで説明されています。

LayerX羅針盤_ver 1.1 - Speaker Deck

プロダクトの価値を最大化するコンサルチームを立ち上げませんか

弊社の特徴はエンジニアによる改善が早く、どの職種であってもプロダクトフィードバックを回してプロダクト貢献が可能であることです。ここはプロダクトを持っていないコンサルティングファームでは得難い経験です。

そして、バクラク事業部ではエンタープライズ向けSaaS導入コンサルチームはまさに立ち上げているところです。牽引していただける方を募集しています。まずはお気軽にmeetyでお話しましょう。また若干名ですが、インターンの方も募集しています。コンサルティングにご興味のある方はその旨meetyでお申し込みください。

meetyはこちらです。

meety.net

募集はこちらです

open.talentio.com