バクラク事業部 Platform Engineering 部 SRE グループの uehara です。
先日 LayerX では AI Coding Meetup #2 を開催し、現地会場・オンライン配信ともに多くの方にご参加いただきました。ご参加いただいた皆さんありがとうございました。
ハイブリッドイベントでは、参加者が場所を選ばないというメリットがある一方で、配信特有の難しさも伴います。この記事では、AI Coding Meetup #2 で実践した配信の舞台裏について紹介します。
当日のレポートや動画も公開されていますのでぜひ併せてご覧ください。 tech.layerx.co.jp www.youtube.com
イベントの要件
今回のイベントでは以下の要件を満たす必要がありました。
- 会場とオンライン配信のハイブリッド
- 会場登壇者1名、リモート登壇者2名
- 会場 + リモートのパネルディスカッション (双方向通話)
映像・音声の流れをまとめると以下の通りで、2箇所から届く映像音声を2箇所にそれぞれ流す必要があります。
- 現地会場の登壇 → 会場スクリーン + オンライン配信
- リモートの登壇 → 会場スクリーン + オンライン配信
熱量のある発信内容を、現地・オンライン双方に高品質で届けることを目標としました。
ツール選定
配信ツールには、弊社で標準的に利用している StreamYard を選択しました。
StreamYard は Google Meet などと同じようにブラウザベースで映像・音声・画面共有が可能なツールです。画面レイアウトの自由度も高く、参加者のカメラ映像などを自由に組み合わせて配信映像を構成できます。
離れたところにいる方でも同じスタジオにアクセスしていただくことでリモート登壇が可能になります。
配信構成
今回は3台の Mac を用意して配信に臨みました。それぞれの役割分担は次のとおりです。
- PC1 (オンライン配信用)
- 会場のカメラ・マイク音声をオンライン配信に乗せる
- リモート登壇者の映像音声を会場に流す
- PC2 (映像操作用)
- StreamYard 配信画面のレイアウト切り替えやバナー操作
- PC3 (現地登壇用)
- 会場の登壇台に設置
- 進行スライドや発表スライドを映す
パターン1: 現地登壇
まずは現地会場で登壇しているパターンです。現地会場・オンライン配信では次のように映っていました。
LayerX バクラク勤怠 開発チーム TechLead @upamune が「バクラクのモノレポにおける AI Coding のための環境整備と {Roo,Claude} Code活用事例」というテーマで登壇しています。
— LayerX Tech (@LayerX_tech) June 12, 2025
登壇資料も公開されています。ぜひご覧ください! #aicoding pic.twitter.com/n15VeOrcZD
登壇台の PC3 から会場スクリーンにスライドを投影します。同時に StreamYard へ画面共有することで、オンライン配信にもスライドを流しています。機材構成は以下の通りです。
会場のカメラ映像とマイク音声は、配信卓にある PC1 から StreamYard へ送る形としました。StreamYard では複数の映像ソース・音声ソースを組み合わせて1画面で配信可能です。
パターン2: リモート登壇
続いてリモートから登壇するパターンで、実際の様子は次の通りです。
ジェイテックジャパン CTO @tomohisa さんによる「AIコーディング新時代を生き残るための試行錯誤」というテーマで登壇中です。
— LayerX Tech (@LayerX_tech) June 12, 2025
アメリカからのリモート登壇で、AI時代のエンジニアリングについて貴重な知見を共有いただいています。 #aicoding pic.twitter.com/UGKUgjLe9l
機材構成は以下の通りです。
リモート登壇の方から StreamYard にカメラ・マイク・画面共有をしていただきました。
現地会場では StreamYard の映像をスクリーンに映す形で、オンライン参加の方と同じ映像を見る構成となっています。
パターン3: パネルディスカッション
最後に、会場とリモートでパネルディスカッションを行いました。本イベントで一番難易度の高いシーンで、次のようなイメージでした。
🎙️パネルディスカッションが始まりました!
— LayerX Tech (@LayerX_tech) June 12, 2025
急遽代打でご登壇いただいた @t_wada さん、LayerX @upamune、ジェイテックジャパン CTO @tomohisa の3名がパネラー、モデレーターは LayerX の @onsd_ がつとめています! #aicoding pic.twitter.com/kpZ4I38pNG
会場スクリーンにもオンライン配信と同じ映像を流すことで、全員の表情を見れるようにしています。機材構成は以下の通りです。
現地登壇者とリモート登壇者は StreamYard スタジオ経由で会話する形としました。 StreamYard で同じ部屋 (スタジオ) に入っていれば、Google Meet のようにビデオ通話が可能です。
会場の声は PC1 を通じて StreamYard 上のリモート参加者へ伝わり、逆にリモート登壇者の声は PC1 の音声出力から会場に流れます。
音声ループの回避
パネルディスカッションでは、リアルタイムの双方向通話を実現しつつ、音声ループを回避するための工夫を取り入れています。 複数端末を用いる場面では、片方に入力した音声がもう片方から流れたりと音声がループしてしまう事象も起こり得ます。
ループを回避するためには、マイク用 PC とスピーカー用 PC を同一にする (会場音声を入力する PC と、リモート音声を会場へ流す PC を揃える) ことがポイントでした。
Google Meet 等のビデオ会議ツールをイメージすると分かりやすいのですが、自分の喋った声は自分のスピーカーから流れない仕様となっています。話す PC と聞く PC を揃えることで会場の声が会場に戻ってくる事象を回避できます。
まとめ
今回は AI Coding Meetup #2 の裏側について、配信構成別に3パターンご紹介しました。 会場の方もオンライン参加の方も楽しめるようにいくつかの工夫を取り入れました。
StreamYard をお使いの方や、ハイブリッドイベントの開催を予定されている方の参考になれば幸いです。
LayerX では今後も様々なイベントを予定しています。connpass でお知らせしておりますので、気になるイベントがありましたらぜひご参加ください! layerx.connpass.com