機械学習エンジニアの伊藤(@sbrf248)です。この記事は、2025年5月27日(火)〜 2025年5月30日(金)に開催されたJSAI2025(第39回 人工知能学会全国大会)の参加レポートとなります。
LayerXとしては、昨年に引き続きプラチナスポンサーとして協賛させていただきました。
昨年と同様にオフラインとオンラインのハイブリットでの開催となり、オフライン会場は大阪中之島の「グランキューブ大阪(大阪府立国際会議場)」で行われました。大阪・関西万博開催中ということもあり、街中の様々な場所に万博の告知やイラストなどを見かけたのが印象的でした。

昨年よりも参加者は大幅に増え、過去最多の4900名以上が参加したようです。多くの研究者、エンジニア、企業・学生の方で賑わい、最新のAI技術や研究成果についての活発な議論が行われていました。

インダストリアルセッション
「LayerXにおける業務の完全自動運転化に向けたAI技術活用事例」について、機械学習エンジニアの島越(@nt_4o54)が発表いたしました。発表では、LayerXが目指す「業務の完全自動運転」の実現に向けた、「バクラク」やAI・LLM事業部の「Ai Workforce」での実際の取り組み、今後の課題と展望を紹介しました。
業務の自動運転化に向けては、いかに多種多様な業務をAIに学ばせ、ワークフロー化するかが課題になると考えています。LayerXでは「AI Automation Lab」を立ち上げ、ワークフローの自動生成と自律的な改善のための研究開発を進めていきます。
詳細についてはこちらのスライドをご覧ください。
企業ブース
企業ブースでは、学生や企業の方など多くの方にお立ち寄りいただきました。ありがとうございます。LayerXからはバクラク事業部、AI・LLM事業部に在籍するエンジニアが参加し、LayerXが目指す「業務の完全自動運転」で日頃の働き方がどのように変わっていくのか、そこに向けた具体的な取り組み内容、サマーインターンシップについてのご案内など、幅広くお話しさせていただきました。

懇親会
大会中は、現地参加された学生の方とのランチ懇親会も開催いたしました。ランチ懇親会は現役のLayerXメンバーと以下のようなトピックについてカジュアルに話せる場を設け、多くの学生さんにご参加いただきました。
- 実際、スタートアップってどうですか?
- 普段の業務内容は?
- 何をやっている会社ですか?
- LayerXに転職した理由は?
- サマーインターンシップって何やるんですか?
- 今後の成長性は?
大会二日目には、公式懇親会も開催いただきました。1000名以上が参加し大盛況となり、普段なかなかお話しできない研究室・企業の方々と交流を深める機会となりました。来年度の開催地発表なども盛り上がりを見せ、充実した時間を過ごすことができました。
聴講セッション
大会内で、伊藤と機械学習エンジニアの飯田(@frkake)が聴講したセッションから、面白かったものをピックアップして紹介します。
チュートリアル講演
[チュートリアル講演3] 大規模視覚言語モデルの開発
(記載者: 伊藤)
プログラムリンク: https://confit.atlas.jp/guide/event/jsai2025/subject/3A4-TS-3-01/category?cryptoId=
国内のLLM構築に第一線で取り組まれているSB Intuitionsさんから、Vision Language Model (VLM) に関するチュートリアル講演があり、聴講参加させていただきました。
VLMの概要から学習・評価、最近の動向に至るまでを幅広くかつ体系的に紹介する内容で、実際に日々VLMを開発されているからこその、実践的な知見の共有が印象的でした。
特に、VLMにおけるハルシネーションへの対策としてのデータセットの作成方法や、VLMにおけるDynamic Benchmarkなどは、機械学習に携わる上で重要なデータの品質管理と密接に関わる内容で、個人的にも非常に興味深かったです。
一般セッション
動的な専門知識連携を意識したマルチエージェントシステム
(記載者: 飯田)
プログラムリンク: https://confit.atlas.jp/guide/event/jsai2025/subject/3J5-GS-5-01/advanced
概要
企業組織における実際の開発現場の議論プロセスを参考にしたマルチエージェントシステムを構築し、論文のタイトルからアブストラクトを推定するタスクに取り組んだ研究。

手前味噌ですが、マルチエージェントの論文を寄稿しました。満席かつ立ち見で最前列くらいまで埋まっており、割と盛況だったんじゃないかなと思います。

ポスターセッション
ゼロショット異常検知アルゴリズムにおけるバイアス問題
(記載者: 飯田)
プログラムリンク: https://confit.atlas.jp/guide/event/jsai2025/subject/2Win5-81/advanced

概要
ゼロショット異常検知アルゴリズムのSAA+に位置バイアスがあるという分析や位置バイアスを抑制する手法を提案。
面白かった点
異常検知モデルに位置バイアスが存在しているんだという率直な感想を持ちました。異常検知というと局所的な特徴を見ている印象があったので、大域的な位置に影響を受けているということが新鮮でした。 また、実験設定がシンプルでわかりやすかったです。9個のうち1つが異常データで、それぞれの検出性能を測るというものでした。
グラフ情報の記述を使ったCLIPの対照学習は画像エンコーダーのダイアグラム認識能力を向上させる
(記載者: 飯田)
プログラムリンク: https://confit.atlas.jp/guide/event/jsai2025/subject/3Win5-34/advanced

概要
有向グラフ画像をテキスト(Mermaid)に変換する研究。
面白かった点
グラフの形が全然違っていても、関係性として同じであれば、正しく類似グラフとして検索できているところが興味深く感じました。 個人的には、形は同じだけど関係性が全然違う画像が合った場合に、どちらがより類似度が高いのかを知りたかったです。
背景に着目したセグメンテーションによるアスベスト検出方法の検討
(記載者: 飯田)
プログラムリンク: https://confit.atlas.jp/guide/event/jsai2025/subject/2Win5-71/advanced

概要
SAMを使って、背景領域をセグメンテーションした後、余ったところに対して2回目のSAMを適用。アスベスト領域の抽出を行う。
面白かった点
従来の二値化やFFTによる画像処理手法でも解決できる可能性があると考えられましたが、実際には様々な例外パターンが存在し、より高度な手法が必要であることが示唆されました。
AIによる会計仕訳〜国立大学法人会計基準に従ったAIによる会計仕訳〜
(記載者: 飯田)
プログラムリンク: https://confit.atlas.jp/guide/event/jsai2025/subject/3Win5-20/advanced

概要
取引先名を考慮することで仕訳能力が一気に向上。検定を使って有意性を測っているのは医学部らしいと感じました。
面白かった点
大学の会計仕訳システムの複雑性について知見が得られ、大変興味深い内容でした。また、このような複雑な会計処理の自動化に向けて、バクラクの導入を検討していただけると嬉しいです。
さいごに
年々盛り上がりを増しているJSAIに今年も参加させていただき、多くの方との交流を通して個人的にも非常に有意義な学会参加となりました。学会の運営に携わってくださった方々に感謝いたします。来年も開催されるJSAIの益々の発展に、LayerXも引き続き貢献できればと思います。
最後になりますが、LayerXではインターンシップ募集や新卒採用を積極的に受け付けています。昨年に引き続き、エンジニアのサマーインターンを積極募集中です。また、今年からはR&Dチームのリサーチインターンも募集しております。JSAIでお話しした方もそうでない方も、興味のある方はぜひ以下のリンクからご応募ください!
https://open.talentio.com/r/1/c/layerx/pages/106295open.talentio.com
https://open.talentio.com/r/1/c/layerx/pages/108990open.talentio.com